5.成り上がりてえ俺様街道について
このでっけえ世界に、俺というちっぽけな存在が何を残せるんだろうな......
おっす、俺だ。
ちょっと股間を換気してたんだ気にすんな。
この世界のヤツらはかなり気が狂っててな、いきなり服だとかをはぎ取られても全然気にしないんだよ。
だから俺がたとえフル〇ンだったとしても何の違和感もなけりゃ当局に捕まることもない。
ってか俺賞金首だったわうはははははは!!!
で、だ。
まずは俺が知る限りの周辺の状況がまずコレだ。
この青白っぽい三角が俺。
つまりここがThe Hubで、すぐ上下に都市があるわな?
でもここさ、ホーリーネイション(HN)なんだよな。つまり俺が来るのを今か今かと待ってるどうしようもねえ場所だ。
そのうち衛兵も含めて全員叩きのめしてやってもいいかと思ってるけどまあ、それはいいわ。
んじゃ左右の先には何があるのかっていうと、右側……つまり東はダスト盗賊のナワバリになってる。ここいらはやたらとゴロツキが多いから身の程知らずがホイホイ襲って来るんだが、このダスト盗賊はちょっとヤベエ。
キャンプまで作って通るやつらをガンガンに襲ってくる上に、全員が軽装から重装で固めてくるから一筋縄じゃいかねえって所がダメだ。
で、残すは西なんだが、
よく分かんねえ。
たまに通る行商人に聞くと、どうやらハイブ共の領地らしい。
俺も会ったことねえから知らないんだが、支配層と労役層にはっきり分かれてる奴らで、支配層はもっそウゼエらしい。
んで労役層はめちゃくちゃアホなんだとさ。
「お前さんが言えた義理か?」
「……おやっさん、勘弁してくれ」
昔からケチなコソ泥でつまんねえポカをやらかしすぎて賞金首になった俺が言えたことじゃねーな本当に。
とりあえず、なんかとっつきやすそうってことでハイブんところに足を伸ばして、面白そうなもんが見つからねえかな?っていうかそっちにしか希望が見えねえ。
「あとは仲間を集めないとなあ」
「お前さんにお似合いなのがホレ、そこに居るぞ?」
「あん?」
……そうして俺は、なにやら変な化け物を探してるって男――ホッブスと出会ったのだった。