9.新天地
いくつかの進展があった。
まず大きなこととして、【アドマグ】の町に繋ぎを得た。
TheHubから南西にたたずむこの町は、武勇の誉れ高きシェクの首都だ。
ここで情報を仕入れた俺は、大陸の地域についての知識と仲間を得た。
シェクって種族は外骨格が発達してて、ツノが複数生えてる。やたらと武力偏重のきらいがあって、弱い事が罪みてえな価値観の種族だ。
最近だと頭の回る指導者が現れたらしく、そういう元々の価値観と新しい価値観とで摩擦が起きているらしい。
新しい価値観ってのは、農業とか一次産業を蔑ろにするんじゃなくて、弱者には弱者なりの生き方があってそいつをちゃんと認めようぜ!って感じの話だとか。
ま、こだわりは大事だがそれに囚われちゃいかんよな?
そして顔から延びるツノが美しい彼女が、新しい仲間の【レーン】だ。
シェクの間じゃ【巨躯】なんて二つ名で知られる豪の者で、言っちゃなんだが昔ながらの価値観側のシェクだ。
コイツを加えて俺たちが当面戦わなくちゃならない相手ってのが、、、
【(利権に)飢えた野党】だ。
彼らは国会の審議をわやくちゃにすることが仕事だ。
邪魔でしょうがないが、彼らから与えられる甘い汁に吸い寄せられる輩がいる限り居なくならないばかりか、人間なんてそんもんだ。
なにせ食い物を持ってると問答無用(時々なんか言ってる)で襲い掛かってくる。
まいずはこいつらを返り討ちにできるようになった。
清い政治の始まりだ!!やったぜ!!
ただ、もっと厄介なのが【ダスト盗賊】だ。
TheHubの東に拠点を構えるこいつらは、見ての通り装備もそれなりのソコソコ腕の立つ連中で構成されている。人数も多いので半端な陣容じゃ勝ち目がまるで見当たらねえ。
近くにある小さな拠点はチマチマと忍び寄って背後から首を頂くことで壊滅できたが、Hub周辺やアドマグあたりで拠点を構えるならこいつらは何とかしなきゃならない。
先に古代の装備技術を探しに向かうのも手かもしれねえが、とりあえず腕を磨かなきゃならないことには変わりない。
「先はなげえなあ……」