18.スタック襲撃作戦2
拾い上げたナイフや獲物になりそうなものを片っ端から司祭やパラディン達に投擲しつつ、支配者層への攻撃を振りまく。
あちこちから俺を探す声が聞こえるが、半分は俺に掛かっている賞金目当てだろう。
時折、俺を目にしたとたん目の色を変えるヤツが居る。こういう奴はUCでも見かけるが、いわゆる賞金稼ぎたちだ。
賞金首は小物から大物まで様々居るわけだが、万を超える賞金が掛かっている俺みたいな奴らを的確に把握していて、常日頃狙ってるのがこいつら賞金稼ぎの特徴だ。
ある意味天敵なわけだが、これからUCもHNとも大してかかわりを持つ気がない俺にとってはもはや害獣にも等しい存在ともいえる。
いずれにしても、野盗だとかダスト盗賊だとかをさんざ蹴散らしてきた今の俺にとっては大した相手じゃない。
気にせず夜の町を駆け巡り、片っ端から油断しているパラディンから獲物を奪い取る。
それほど多くの獲物を抱え続けるわけにもいかないので、時折町はずれにある崖に向かって十字剣を投げ捨てては同じことを繰り返していると、やがて空が白んできた。
「……潮時だな」
あちらこちらで混乱している衛兵や常駐騎士たちをしり目に、俺はいまだ辛うじて秩序を保っている門番を背後から急襲し、そのままスタックの町を後にするのだった。