23.独走
そして再び俺は、HNの南の玄関都市「スタック」に足を運んでいる。
俺一人でどこまでできるのか?その可能性を探ることもそうだが、スタックにはバグマスター攻略の練習に付き合ってもらうことになる。
「攻略完了地点は警察機構の無力化、って所か」
新たに仲間にした数人がTheHubに残っていたが、彼らにはマウやレーンと共にスクイン近くの農園まで向かってもらうことにした。
最悪俺が死んでも農園は残るし、それがHNをぶっ潰すための礎になるならそれでもいい。
死ぬ気はまるでねえけど。
「無理はするなよ?」
レーンとはそんな言葉で別れる。ま、無茶するんだけどさ。
ハブの隠し拠点に残していた食料をバックパックに詰め込むと、俺はこうしてスタックを目指して走っていたという次第だ。
思えば、一人きりってのも久しぶりだな。
奴隷解放の時は開放してきた仲間が常に居たし、そう思えばホッブスやアイヌが仲間になるまでの孤独な一人旅にくらべると、本当に多くの仲間に恵まれたものだ。
「いやあ、死ねねえなあ」
口元がニヤリとゆがんだ。