27.恐怖(に染まった町)のスタック
スタックの防備は単純で、守衛の5人を除けば大体二人がかりで迎撃に来る。
それ以外で出しゃばってくるのは、賞金目的の考え無しだけだったりする。
「ま、その程度じゃ相手にもならねえんだけどな」
奴隷を開放してた時は、全部が全部簡単に済んだわけじゃなかったし、高位パラディンクラスを相手に出来なきゃ死ぬくらいの状況にもあってた。だから、俺の剣技はすでに歩哨程度や賞金稼ぎくらいじゃ正面切って戦って勝てるくらいには極まっていたりする。
とりあえず闇討ちと隠密技術を磨きたいわけだから、見つかったときはボコボコにしたあとにちょいと担いで門前にリリースを繰り返している。
日に日に守衛の数が減ってるのは気のせいだろ。
多分。
「騎士サマがこの町から居なくなっちまったら……、次はブリスタンヒルにでもいってみっかなあ」
あそこにはセタが居る。
ほかにも審問官って凄腕の連中がウヨウヨ居るんだが、その多くはほとんどが遠征という名の他種族虐殺に繰り出しているらしいので、鉢合わせることもそうそうないだろう。
「練習相手としちゃ最適なんだけどな」
他にも役立ちそうなのはテックハンター共くらいだが、個人的にあいつらと事を構えたくない。これから遺跡を探ろうってのに余計な火種は避けたいしな。
ってことで、今夜も片っ端から守衛連中の意識を刈り取っていくか。