31.聖国の再襲撃1
血のように赤く染まる聖なる鎧。
それが聖国が誇る精鋭審問官を表し、また見る者に畏怖を与える。
私の名はアイヌ。
奴らは再び私たちの前に姿を現した。
事前にギルドから情報を得ていた私たちは、ストームハウスの防衛に数人残し、標的にされているスケサンたちをスクインへと非難させていた。
スクインの入り口は北と南の二つだけ。
ハイブの村を襲ってから現れた彼らは、南門から姿を現した。
「汚らわしき者たちよ! 粛々とオクランの裁きをうけよ!!」
人族の男を至高とする聖国の騎士、中でも仇敵である審問官のセタがそう吠えると、後ろに控えていた数十人の騎士たちが一斉に拠点へとなだれ込んできた。
「いそげ! こっちだ!!」
ヴァーグが連れて来た新しいメンバー……リーダー格のバックスがチームの仲間をストームハウスから狙っている。スケサンやホッブスたちはスクインの拠点にすでに逃げている。
「脆弱なフラットスキンがわめくな! お前の剣は飾りか!?」
スクインのほぼ真隣りに農園を開発していたから、門に居たガーディアンがそれを見て挑発していた。
「……いいだろう、貴様らもろとも粛清してやる!!」
赤く染められた兜の奥で、セタの瞳がギラリと光った気がした。